写真業界

自動トリミングシステム

AI研究開発

オンプレミス環境

サマリー

大手印刷ラボ向けに開発したAI自動トリミングシステムです。
人物や被写体を自動検出し、指定ルールに基づいて拡大・縮小・位置調整を行うことで、印刷用レイアウトに最適化されたトリミングを自動で実施します。
Python・CUDA・PyTorchをベースに構築し、膨大な画像データを高速かつ安定的に処理可能としました。

背景

印刷ラボでは、人物写真や集合写真のトリミング作業が日常的に発生しています。
従来はオペレーターが一枚ずつ被写体の位置を確認し、印刷枠に合わせて手動でトリミングを行っていました。
この作業は時間的コストが大きく、特に大量生産が求められる卒業アルバムなどの現場では、品質の均一化と作業効率の両立が大きな課題となっていました。

提案方針

画像内の主要被写体をAIで自動検出し、ルールベースのレイアウト補正を行う仕組みを提案しました。
被写体の位置やサイズをAIが判断し、印刷枠・テンプレート・アスペクト比などの条件に合わせて自動的にトリミングを実施。
これにより、オペレーターが行っていた判断プロセスをAIに置き換え、人手による構図調整の再現を実現しました。

活動内容

PythonおよびPyTorchを用いて、GPU(CUDA)環境上で動作する被写体検出モデルを開発。
人物検出にはディープラーニングベースの物体検出アルゴリズムを採用し、顔や全身の位置・サイズ情報を高精度に取得。
取得データをもとに、印刷フォーマットに応じた拡大・縮小・センタリング・余白調整を自動で行うアルゴリズムを実装しました。

さらに、既存の画像処理パイプラインに統合できる形でAPI化し、ラボ内の既存システムからも容易に利用できる構成としました。

結果

AIによる構図判定の精度も高く、オペレーターによる微調整が必要なケースが大幅に減少しました。
また、トリミング基準をルール化することで、複数拠点間での作業品質のばらつきも解消。
現在は、他の印刷ワークフロー(証明写真・記念撮影・学校撮影など)への適用拡大が進んでいます。