サマリー
大手印刷ラボ向けに開発したAI自動色調補正システムです。
従来オペレーターが行っていた膨大な色味補正作業をAIが再現し、ラボごとの色表現や仕上がり傾向を自動的に再現します。
Python・CUDA・PyTorchを用いて構築された高速推論基盤により、大量画像を高精度かつ短時間で処理可能としました。
背景
印刷ラボでは、毎日数万枚規模の画像に対し、明るさ・彩度・コントラスト・肌色などの色調補正を人手で行っていました。
これらの作業は経験と感覚に依存する部分が多く、作業者間での仕上がりのばらつきや、人的コストの増大が課題となっていました。
特に卒業アルバムや記念写真といった**「人物写真の自然な色再現」**が求められる現場では、品質維持と効率化の両立が困難でした。
提案方針
従来のオペレーター補正データを教師データとしてAIに学習させるアプローチを採用しました。
これにより、クライアントごとの「理想的な色味」や「独自の補正傾向」を再現するAIモデルを構築。
AIが自動で最適な補正パラメータを推定することで、人手に近い精度の色再現を安定的に実現します。
活動内容
PythonとPyTorchをベースに、GPU推論環境(CUDA)上で動作する色調補正AIを開発。
オペレーターの補正履歴データを解析し、輝度・コントラスト・彩度・肌色トーンなどの補正特徴量をモデルに学習させました。
学習後は、数千枚単位での自動推論を実施し、AI補正結果と人手補正の一致度を評価。
補正パターンの再現率を指標に最適化を行い、既存の画像処理ラインに容易に統合できる構成としました。
結果
導入先の大手印刷ラボでは、AI補正による再現精度が高く評価され、人手による確認・微調整の大幅削減を実現しました。